公言しちゃう君と、
そんな君に本気な僕。





「僕の大好きな、キーボーディスト!」
「…うわ、」

ライブ中、不意に肩を抱き寄せられて。
ショルダーキーボードを掛けた僕の体は少しだけバランスを崩した。

「アイス!!」
「――こんばんは!」

一瞬で熱くなった単純な頬はスポットライトの光でなんとか隠せただろうか。
タイマーに名前を呼ばれて紹介されて、頭上で手を振ったら歓声が上がった。

「…タイマー!」
「こんばんは!!」

僕は抱き寄せられたままタイマーを紹介した。
さりげなく飛ばすタイマーのウインクにも気付くファンは、本当にタイマーのことが好きなのだろうね。
(嫉妬なんて馬鹿みたい)

一人で盛り上がって、一人で沈んで。
いつもそうだ。ライブ中だというのに。

無理矢理笑顔を作ってタイマーの顔を見ると、一瞬困ったような顔をされた。



ライブは大盛り上がりのまま幕を閉じた。
鳴りやまない拍手を浴びながら、タイマーは再び僕を抱き寄せて

「わ、」
「みんなありがとう、大好き!」

けれど言葉は観客へ向けられる。
どうして簡単に抱き寄せられるの?



「君はどうして僕に触れるの?」

ライブ終了後、思い切って聞いてみた。
また、だ。ライブ中にも見せた困ったような顔。

「なんでって…」
「ふざけてるの?」

気付いたら強い口調になっていた。
答えを聞くのが怖くて、けれど聞くのを止められない。

「ふざけてないよ、盛り上がるじゃない」

――ほら、やっぱり。

「アイスだって盛り上げたいでしょ?」
「…盛り上げ、」

刹那、抑えていたものが弾けた気がした。
目の前がよく見えなくなって、今まで必死でせき止めていたものが溢れ出す。

「…君はどうしてそう残酷なの?」
「は?」

心底意味が分からないというような返事をされて、僕はどうしていいか分からなくなった。

「人前で、好きだなんて言って、馬鹿みたい…!」

視界がぼやける中、捨て台詞ひとつ。
タイマーの元から離れたかった。
急いで逃げたかったのに、あろうことか、僕は腕を掴まれた。

「は、離しっ」
「そんなの意味分からない」

怒った君に、僕は伝える。
「僕は君が好きなの!」

腕を掴む力が緩んだ。
「なに、それ…」

「気持ち悪くてごめん。答えなんていらない」

手を振り切って、部屋を後にする。
唖然として動けないタイマーを部屋に残して僕は思う。

(もう君から抱き寄せてくることはないだろうね)



ああ、後悔だらけだ。
君への想いなんかさっさと霞んでしまえばいい。



*


意味がわからない。←
拍手お礼なのに悲恋…暗い…


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