1/1ﾍﾟｰｼﾞ目 【言（ﾄｷ）】 「待ってるからな。」 『結・・・！気づいてっ！』 私は、結の肩をたたく。 それでも結は気付いてくれなくて。 せっかく恋人同士になれたのに。 なんで、こんなことになっちゃったんだろう。 「今日な、隼人が授業中寝てて怒られたんだぜ？ あいつ、お前とおんなじで度胸あるよな。」 目の前にいるのに声が届かない。 手を伸ばしても、触れることができない。 もう何年も経っているのに、結は少しも変わっていない。 私が生きていたあの時から。 まだ、幸せな時間を送れていたときから。 原因は、桜樹さんや桜花さんが言うように私にあるんだ。 私が、結の前からいなくなったから。 『結・・・結は、帰りを待つだけで会いに来てはくれないの？ こんなに近くにいるのに・・・・・。』 「ごめんな・・芙子の手なんか取ったからだよな。」 『ううん、結は何にも悪くない・・・。』 「芙子の手を取るのはいけないことだってわかってた。 でも、少しでも長くお前と過ごしていたかったんだ・・・・ガキだろ？」 結は、小さく笑って私のお墓に話しかけている。 結に会いたいって思う。 自惚れかも知れないけど、私が結の前に出れたら結は成長を止めないでいいんじゃないかなって思う。 一番に、私を想い愛してくれたから。 悪いことでも、結は私と生きるために手を取ってくれたんだね。 私も、あの時結に止められたままほっとけばよかった。 近くに寄らなかったら結は、傷つかなくてよかったのに。 【会いたいのか】 どこからか声が聞こえる。 懐かしいような声が。 「会いたい。会いたい・・・苦しんでる結を見てるだけなんて嫌だ・・・。」 【それが、お前にとって幸せかはわからないのにか】 「分からない？・・・ううん、結が幸せなら私も幸せになれる。 結を助けられるなら、私は辛いことでもなんでも受ける。」 結は、私を守るためにたくさん傷ついた。 そんな結を助けられるなら、私が受けるかも知れない苦痛なんて全然平気だ。 結ともう一度生きていけるなら、私はなんでもする。 【承知した】 そういった声が、姿のない私に聞こえた最後の言葉だった。 「・・っ・・・・」 目の前には泣いている結がいる。 今は、はっきりと私の手が見える。 私は、少し震えながらも結の肩をたたく。 「おっさん？悪い、今行く・・・っ・・？！」 泣いている結を、私はしっかりと抱きしめる。 もう独りじゃないとわかってもらえるように。 私はここにいるから。 「結、私はここにいるよ。」 「鳴・・・美・・・っ？！なんで・・・・」 「結に会いたかったから・・・結がずっと私を想ってくれていたから・・・。」 私は、涙を流しながら小さく笑う。 ふと抱きしめられて、久しぶりに結を近くに感じた。 「鳴美・・・会いたかった・・・」 「私、ずっとそばにいたんだよ・・・？」 結は、私の頬を撫でる。 成長が止まっていたはずの結が、私には少し大きく見えた。 数年会ってなかったのだから、仕方ないかもしれない。 私の頬を撫でていた結は、そっと私にキスをする。 一瞬のうちに赤くなった結は、それでもしっかりと私を見ていた。 そして、お互いに笑い合う。 照れながら結はつぶやく。 「ちゃんとしたキス、してやるって言っただろ。」 「覚えてたんだね。」 「あっ、当たり前だろ！お前のことは、何一つ忘れてねぇ。」 「なら、今度喧嘩したときは、何を私が望んでいるか理解してね？」 私が意地悪く言うと、結はめんどくさそうな顔をして小さくうなずく。 こんな日常を望んでた。 明るい日差しの中で、結と過ごしたかった。 これからは、たくさん喧嘩もしようね？ いつもそばにいるから。 もう、寂しい思いさせないから。 後書き 初だー！！！ 結は泣きました；； これからかけていけたらいいなぁ・・・・。 それには、まず口調を勉強しなきゃいけない；； [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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