1/5ﾍﾟｰｼﾞ目 【時の差】 「ヒノエ君・・・・。」 現在と過去とでは、想いが届かないの？ たった何百年の差。 たった何百年、私が遅く生まれてヒノエ君が早く生まれただけ。 ただ、それだけなのに。 ただそれだけなのに、なんで離れなきゃいけないのかな。 「会いたいよ・・ヒノエ君に会いたい・・・・。」 気がつけば流れる涙。 私が、異世界に行ってヒノエ君にあった。 少しの期間しかいられなかったけど、私には大切な時間だった。 八葉として私を助けてくれたみんなや、助けてくれた人達。 ヒノエ君と過ごした時間。 それは、ただ思い出に変わるのだけは嫌。 会ってから、何度も私を助けてくれて守ってくれたヒノエ君。 何度も私を口説いて笑ってたヒノエ君。 ただの思い出にかわるなんて嫌だよ・・・・。 「・・・っ・・・・。」 初めは、こんな感じじゃなかった。 もう会えないのはわかってたけど、心ではまだ実感がなかった。 こんなにもヒノエ君が心に残ってるという実感が。 「先輩？」 「・・っ・・・どうしたの？譲君。」 突然聞こえた声に私は、涙をぬぐう。 そして、どうにか泣いていたことがばれないようにと少し笑ってみる。 振り返ると、そこには将臣君と譲君が立っていた。 二人は、一緒に時代を超えて八葉としてわたしを守ってくれた人。 「家にいないから、ここにいるんじゃないかと思ってな。」 そういって笑う将臣君。 私は、心からの笑顔が見ていられなくて私はすっと空を見上げる。 眩し過ぎる位の日差しが私を包む。 「・・・みんなが帰ってから、時間だけが進んでる・・・。」 「え？」 何を言っているんだろう。 私は、空を見上げて無意識のうちに話していた。 「もう時を超えるなんてできないのはわかってる。これが、一番いいってことも。」 「望美・・・・。」 「でも・・でも、離れたくなかった・・・っ・・・。」 私は泣き叫ぶように話している。 二人は何も言わず、ただ話を聞いてくれていた。 本当は、誰かに聞いてほしかったのかもしれない。 もう、流れる涙を抑えることはできなかった。 立っているのさえ辛くて、私は崩れ落ちる様にしてその場に座り込んだ。 ここは、みんなと別れた場所。 ヒノエ君が好きだと言ってくれた場所。 一番大切な場所。 「姫君を泣かすなんて、感心しないね。」 「それは、私のセリフですよ。ヒノエ。」 「なんであんたらがいんだ？」 懐かしい声がする。 「なんでって、白龍が神子の気が乱れてるって言ったからに決まってるだろ？ さすがに、八葉っていっても時を超えれるわけない。」 「時代が違ってもわかるのか。」 私は、顔をあげて前を見る。 涙でぼやける視界の中に、四人の人影が映る。 「ヒノエ・・君・・・・弁慶・・さん・・・？」 「可愛い顔が台無しですよ？」 「泣かせた理由は、どうやら俺にあるみたいだね・・・・っと」 私は、気がつけばヒノエ君に抱きついていた。 多少は驚きながらも、ヒノエ君は私を受け止めてくれる。 後ろで三人の笑い声が聞こえる。 やっと会えた。 「会いたかった・・・・。」 「嬉しいね、まさか姫君から抱きついてくれるなんて。」 「会いたかった・・・ヒノエ君・・っ・・・。」 ヒノエ君は、私の頭を軽く撫でてくれる。 その手が暖かくて、止まりかけていた涙がまた溢れる。 それを、ヒノエ君の手が押える。 「弁慶の言うとおり、可愛い顔が台無しだ。 俺のために流れている涙を見るのは悪くない。でも、泣き顔より望美の笑顔が見たい。」 私は、顔だけあげてヒノエ君をみる。 そして、作れる精一杯の笑顔で笑う。 一番に言いたかったけど、言えなかった。 「おかえり・・なさい。」 「ただいま、姫君。今度は、お前と二人で行きたいね。」 「ふふっ・・・連れてってくれるの？」 「姫君が望むなら。」 そう言って、二人で小さく笑った。 また、一緒にいられるんだね。 大好きだよ。 ずっと大好きだよ。 時の差が、埋まってしまうくらい一緒にいようね。 それだけで、私は強くなれるから。 後書き 遙か３初小説ｗ ヒノエにかなり惚れてしまい、書いてしまったｖ これからも頑張りたいですｖ [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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